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われらがピーター・パーカーが、「新しくなって帰ってくる」という企画を聞いたとき、嫌な予感しかしませんでした。 あのダメ人間ピーター役のトビーは、完璧に完成されているキャラクターを、楽しく演じていました。 遅刻常習犯で、バイトもクビになりまくる。しかも、いくら悪を倒しても、好きな女の子に告白すらできないダメぶりは、全世界の、同じようなダメ人間から共感をあび、シリーズすべて大ヒットしました。 しかし、言わずもがな傑作の「2作目」の次作「3」がコケてしまい(収入的にはヒットしたが、作品の質として落ちてしまった)、なんと、ピーターの冒険は打ち止め。「4」が暗礁に乗り上げたのでした。 たしかに、「3」はピーターのダメっぷりのコメディとしては楽しかったけど、作品としては、期待はずれだったよね。 そして、「ソーシャル・ネットワーク」のアンドリュー・ガーフィールドを主演にした「リブート」作品として一作作られると聞いたんだけど、今までのピーターのイメージが強すぎて・・・。 果たして、楽しめることができるだろうか、と思いながら劇場に行きました。 実は、前作までのピーターが好きすぎて、「スルーしよう」とまで思って居たんだけど、こないだ見た「MIB3」の劇終後に「アメイジングスパイダーマン」の特典映像15分がついていて、それに惹かれて見に行ってしまった。 監督はサム・ライミから変わって、「500日のサマー」のマーク・ウェブ。 特典映像の中に、ピーターとヒロインが会話するシーンがあったけど、すごくキレイで惹かれてしまった。 所謂、アクション映画特有のテンポではなく、ゆったりとした時間を切り離しただけ、という日常の延長線上の演出。 これは、きっと、新しいものになっている、と期待して鑑賞。 もちろん、期待を裏切らないでき。 今回、ヒロインのお父さんは、警官という設定。そして、ダークナイトよろしく、スパイダーマンも、「世間の治安を不安定にさせている」と警察に追われる身なのだ。 たとえ、子供を救っても、当の親からは感謝されたとして、警察からは容赦のない発砲をあびる。せつない。 そこが、キーになっていて、ラスト、やはり、NY市民にスパイダーマンは助けられる。ここが、また感動なのだ。 しかし、上映時間が長いわりに、市民の間にスパイダーマンがいかに浸透していたか、など、細かい描写を省いた印象がある。 そのため、前作「1」で植えた芽が、「2」で爆発したような面白さ、痛快さには繋がっていない。 そして、心配なのは、はたして、この「アメイジング」がヒットするのかということ。 監督はドラマ畑の人間で、ドラマ部分だけの映画だったとしても、2時間見ていたいという気持ちになったのだが、この「アメイジング」は、宣伝に失敗している。 大作映画には、予告編以外に、「特報」と呼ばれる1分くらいの公開映像がつくことがある。「アメイジング」にももちろん存在して、それがまた、つまらなかったのだ。(ユーチューブで検索したけど、見つからなかった。消されたのか?) そのため、ファンにそっぽを向かれたのだけれども、この数ヶ月で何人のファンが帰ってきたのだろうか。世界最速公開のため、アメリカの情勢はまだ少しあとに入ってくるだろうね。 (80点)
by aotz
| 2012-06-24 16:14
| 映画(80点以上)
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